応募総数 5139点
<デザイン部門379点、キャッチコピー部門4760点>
応募は、昨年の約2倍。北は北海道から、南は沖縄まで。全国からたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
審査は、長崎に縁のある9名の審査員が、1次審査から最終審査までをすべて行いました。
最終審査に進んだのは、デザイン部門81点、キャッチコピー部門114点。
10月13日(金)の最終審査会<公開審査会>を経て、以下の賞が決定しました。
受賞された皆さま、本当におめでとうございます。
➀デザイン最優秀賞
デザイン最優秀賞
■広告主
長崎市管工業協同組合
■課題
「長崎のおいしい水を守っているのは私たち(長崎市管工業協同組合)」ということを知ってもらうための広告
■制作者
矢澤 拓隼(デジマグラフ株式会社)、村川 マルチノ 佑子(デジマグラフ株式会社)
■タイトル
雨の水が、わたしの水になるまで。
■サイズ
全15段
■受賞者のコメント
この広告は、離れて見ると「水」という漢字が浮かび上がります。雨や流れる川が、長い距離と時間を経て「水」になっていくことを表現したものです。
水がやってくる長い道のりを管理しメンテナンスする長崎市管工業協同組合さんの仕事を体感的に表現しました。平面で「時間」と「距離」を超えることに挑戦しました。また、ほとんどをiPadで制作。いつものやり方を超えました。
公開審査の会場には、原寸大で出力されたたくさんの応募作が並んでいました。
自分の応募作もデータで見るのと全然違う迫力があり、別物に見えました。
制作を通しいろんな枠を超える機会と、最優秀賞をいただけて嬉しいです。ありがとうございました。
②キャッチコピー最優秀賞
キャッチコピー最優秀賞
■広告主
株式会社 西海建設
■課題
「豊かな未来をつくる建設業の魅力を伝える広告アイデア」
■制作者
土谷 真伊人
■受賞者のコメント
この度は最優秀賞に選出いただき、ありがとうございます。前回では審査員特別賞をいただき、今回は最優秀賞と2年連続で受賞させていただきましたのは大変光栄です。
自分が応募したコピーのなかだと、かなり変わっているコピーでした。句読点もなく、単語だけ。そのコピーが最優秀賞。いったいどんな審査があったのか。公開審査を見たかったと残念な思いです。ですので、審査員のみなさまの講評、そして、もちろん、そのほかの素晴らしい受賞作を楽しみにしております。これからもワクコエが盛り上がっていくことを願っております。この度は、本当にありがとうございました。
③審査員特別優秀賞
<デザイン部門 4点>
審査員特別優秀賞
■広告主
医療法人 社会福祉法人 啓正会
■課題
「啓正会(介護福祉士)で働きたいと思えるような広告アイデア」
■制作者
田島 由紀子、辻村 郁子
■タイトル
介護って、クリエイティブ。
■サイズ
全15段
審査員特別優秀賞
■広告主
医療法人 社会福祉法人 啓正会
■課題
「啓正会(介護福祉士)で働きたいと思えるような広告アイデア」
■制作者
内波 可菜(大広WEDO) 、本田達也(電通)
■タイトル
この記事は啓正会職員限定記事です。
■サイズ
全15段
審査員特別優秀賞
■広告主
長崎市管工業協同組合
■課題
「長崎のおいしい水を守っているのは私たち(長崎市管工業協同組合)」ということを知ってもらうための広告
■制作者
吉田萌香(テテマーチ株式会社)、和田晴希(TOPPAN株式会社)
■タイトル
この道、ひとすじ。
■サイズ
全15段
審査員特別優秀賞
■広告主
長崎市管工業協同組合
■課題
「長崎のおいしい水を守っているのは私たち(長崎市管工業協同組合)」ということを知ってもらうための広告
■制作者
与座 郁哉(所属先:電通)、渡邉 裕(所属先:株式会社アドブレーン)
■タイトル
水漏れ新聞
■サイズ
全15段
<キャッチコピー部門 4点>
審査員特別優秀賞
■広告主
医療法人 社会福祉法人 啓正会
■課題
「啓正会(介護福祉士)で働きたいと思えるような広告アイデア」
■制作者
田邉 聖一郎
審査員特別優秀賞
■広告主
株式会社 福徳不動産
■課題
「住みやすい長崎の街へと変える私たちのビジョンが一目で伝わる広告」
■制作者
藁科 誠
審査員特別優秀賞
■広告主
株式会社 豊味館
■課題
「長崎豊味館の「牛テールカレー」「黒豚ロールステーキ」を、もっと多くの方に食べて頂くアイデア」
■制作者
馬場 愛美
審査員特別優秀賞
■広告主
株式会社 豊味館
■課題
「長崎豊味館の「牛テールカレー」「黒豚ロールステーキ」を、もっと多くの方に食べて頂くアイデア」
■制作者
梶浦 公靖
④広告主特別賞(デザイン)
広告主特別賞
■広告主
株式会社 福徳不動産
■課題
「住みやすい長崎の街へと変える私たちのビジョンが一目で伝わる広告」
■制作者
森相 文宏(M.graphics)、安藤 寛志
■タイトル
うまいはカステラ。すまいはフクトク。
■サイズ
全15段
広告主特別賞
■広告主
株式会社 豊味館
■課題
「長崎豊味館の「牛テールカレー」「黒豚ロールステーキ」を、もっと多くの方に食べて頂くアイデア」
■制作者
菅野 綾佳(サントリーマーケティング&コマース㈱)・名子 亜弓(サントリーマーケティング&コマース㈱)
■タイトル
どんな日も、どんな気分でも。
■サイズ
全15段
広告主特別賞
■広告主
株式会社 西海建設
■課題
「豊かな未来をつくる建設業の魅力を伝える広告アイデア」
■制作者
江口 光希(電通クリエーティブX)、山本 ⼀樹(ASTRAKHAN)
■タイトル
まちの風景は、作品です。
■サイズ
全15段
広告主特別賞
■広告主
医療法人 社会福祉法人 啓正会
■課題
「啓正会(介護福祉士)で働きたいと思えるような広告アイデア」
■制作者
田島 由紀子、辻村 郁子
■タイトル
介護って、クリエイティブ。
■サイズ
全15段
広告主特別賞
■広告主
長崎市管工業協同組合
■課題
「長崎のおいしい水を守っているのは私たち(長崎市管工業協同組合)」ということを知ってもらうための広告
■制作者
菖蒲 千花
■タイトル
あたりまえのありがたみ
■サイズ
全15段
各審査員からの講評
有川 智子
社会背景がめまぐるしく変化する昨今、制約や不自由さも増すなか、広告が「枠を超えていく」こと、また受け手に届くデザインや言葉を紡ぎ出すことは、簡単なことではないと思います。皆さんから集まったその苦心の跡を、審査員みんなで丁寧にていねいに、しっかりと読み解いていくような審査の過程でした。今回受賞した作品は、一方的に「いいでしょ」と押し付けるのではなく、新聞の紙面という枠を超え、見る人がその背景に想像をふくらませ、共感することで成り立つものばかり。「雨の水がわたしの水になるまで」「私も、長生きがしたくなった。」そのメッセージの背景を思うことで、伝わり、つながり合える広告って素敵だと思いました。ぜひ、じっくり想像してあげてください。
伊藤 敬生
新聞は毎日の社会を、高く広く俯瞰できる、多様性に満ちたリアルメディアだ。社会という風景を眺めるため、窓を開けるように新聞をめくる行為。これは、見る読むといった行為の手前で、社会を感じる行為ではないだろうか。情報のデジタル化が進む世の中、私たちの視野は逆に狭くなっていると感じる。だからこそ新聞の持つ大きな紙面は、ますます有効になってくる。であれば、そんな大型紙面に格納される新聞広告も同じ。見させる前、読ませる前に、感じさせる広告。そんな特性を見事に利用した多くの痛快な作品が今回も受賞を果たした。できれば実際に掲載される日の、原寸大の紙面からリアルに受賞作を感じてほしい。
衣川 日菜実
伝わらないと意味のない「広告」でどれだけ枠をはみ出すことができるのか。そんな難しいテーマに、しっかりと意義を感じることの出来る審査会でした。9人の審査員による議論を進めていく中で、9人9色の解釈が1つの広告にどんどんレイヤーを重ね分厚いモノになっていく感覚。きっとこの広告達が新聞に載りたくさんの人の手に渡った時、色んな想像と思考を巡らせることになると思うと、「新聞広告」と「ワクコエ。」の掛け合わせの美しさをひしひしと感じました。第2回目のこの広告賞を、長崎という街と共にこれからも育んでいけることを願っています。
鳥巣 智行
デザイン部門の最優秀賞は水を守る管工事業が持つイメージの枠を、ロマンチックに超えていました。コピー部門の最優秀賞は建設業が持つイメージの枠を、コミカルに超えていました。枠の超え方にもいろんな超え方があることを感じた審査会でした。最優秀賞には選ばれませんでしたが、「大田タケ(98)まさかの不参加」の原稿には「介護の現場に参加してみたい」と思わせるものがあり印象に残りました。応募者のみなさんも、審査員のみなさんも、公開審査会に参加されたみなさんも、全員が「どうやって枠を超えるか」を考える機会は、それだけでもとても貴重なものだと思える時間でした。
中村 直史
<この議論を終わらせたくない>審査は白熱し、最高におもしろい時間となりました。枠を超えようとしているか。企業の本当に迫っているか。長崎で発する意義があるか、など。結果、新聞広告というリアルな紙の大きさを活かした、イキイキと枠を超えようとする作品が選ばれたと思います。この議論が、賞だけで終わるのではなく、普段から起こり続けて欲しいです。長崎新聞という地元新聞の「枠」を通して、企業が発するメッセージが、長崎の人たちを動かしたり、考えさせたり、笑わせたりしている。そうなって欲しい。新聞社も、企業も、読者も、それぞれの立場を超えて、おもしろくつながりあえる。地元の新聞には、そんな、全国紙とはちがった対話がありえるはずです。
野上 鉄晃
審査に参加させていただき感じたことは最終的に選ばれた作品は、1人1人審査員の視点は異なるので多角的な視点に最後まで耐えることができた作品だということです。そこに至る受賞者のテーマをあらゆる角度から照らし強固にしながら作品として昇華する日々に頭が下がる思いです、心よりおめでとうございます。また、「ワクコエ」という新聞広告賞には枠を超えるという課題もあります。応募者がどうやって枠を超えるのか、そもそも枠とは何なのかといった根源的な問いにも果敢に迫る作品に出会えたこと、世代が違った素敵な審査員の方々と議論できた濃密な時間は喜びの連続でした。
はしもと ゆうき
その作品は「枠を超えたもの」と言えるのか。審査員の皆さんのそれぞれの視点や、交わされる議論にハッとさせられることが多く、とても刺激的な時間でした。数名の審査員の間だけでも、作品の印象や解釈にこんなにも幅があるのなら、実際に掲載された作品を見る人々の間では、受け取り方にどれほどの違いが生まれるのだろう?驚いたり、頷いたり、ふふっと笑いがこぼれたり、しみじみと感じ入ったり、あるいは疑問や違和感を感じたり......。新聞の前で生じるであろう反応や感情が多種多様であるほど、その広告は「枠を超えた」と言えるのかもしれない、と感じています。新聞というメディア、そして広告というものの意義を再発見できました。
羽山 潤一
新聞広告が原寸大で並ぶ様はとても印象的でデータで眺めていた事前審査とは受けとり方が幾分か違いました。紙としてカタチがある。そして大きい!という事は新聞というメディアとしてとても大事な事だなあとあらためて思った審査でした。デザイン最優秀賞の作品はもともと優秀賞の候補に最初は入っていなかったんですが、ひとつの事がきっかけになり、それがあれよあれと最優秀賞を獲るまで行ってしまった...そのライブ感に感動してしまった。その場にいないとわからないで来年開催も公開審査で!長崎にこのようなワクを超える挑戦的な広告賞があってとても嬉しいです。皆様受賞おめでとうございます。これからさらに、いろんなワクを超えていきましょうー。
村上 萌
選考プロセスを通して皆さんの思いに触れ、背景を想像し、お会いしたこともない方と文通をしているような温かい時間でした。「枠を超える」というのは枠を意識しようと狙って超えるのではなく、純粋に新聞広告という舞台を楽しむこと、クライアントの目指すビジョンへの理解、クリエイター独自の視点、それぞれが合わさった上で、結果として"枠を超えていた"ということになるのだと思います。アナログな新聞を読む人を昔以上に増やすことは難しいからこそ、新聞ならではの価値を上げていかなくてはいけません。この挑戦を機に、これだけ多くの皆さんと一緒にその課題に向き合うことができて刺激的な時間でした。
枠を超えていく新聞広告賞実行委員会より審査員の皆様へ
本広告賞の最大の魅力として、広告業界だけじゃない「審査員のワクコエ」があります。
スタートから携わっていただいている、中村直史さん、伊藤敬生さん、鳥巣智行さんから、さまざまな枠を超えて活躍されている審査員の皆様につながりました。
このつながりが生まれたことで、受賞作品は「枠を超える」「おもしろい」アイデアが選ばれました。
そして同時に、新聞広告の可能性は、まだまだ広げていけると確信できました。
「ワクコエは、枠を超えた新しいチャレンジができる場所になれる」
次回に向けて、またなにか始められそうな気がしています。
審査員の皆様、本当にありがとうございました。
この場を借りて、御礼申し上げます。